つづれ織工房 おりこと 織り子 森 紗恵子氏

西陣の「爪掻本綴織(つめかきほんつづれおり)」の若手職人として帯を織りながら、オリジナルデザインの作品制作、工房見学の受け入れなどの活動をしている。

<京都、西陣織、職人の世界に飛び込む>

滋賀県生まれ。京都の大学を卒業後、庭のデザインの仕事を経て、自分の手で実際にものを作る仕事にあこがれ2005年に職人の世界に飛び込む。未経験者でも採用してくれた西陣のつづれ織の会社で、帯や袈裟を織る職人として従事。3人の師匠のもと、「爪掻本綴織」の修行をする。

<オリジナルブランド「おりこと」の立ち上げ>

2012年にフリーとして独立。修行した会社の製品を織るだけでなく、つづれ織に触れたことのない多くの方に知ってもらう場として、2013年に「つづれ織工房おりこと」を立ち上げる。オリジナルデザインのウェディング用の髪飾りや、ピンブローチ、バレッタなどを制作する。一般的なつづれ織よりも細い糸を用いた薄く張りのある生地と細かな柄を生かし、立体的な作品制作を心がける。また、アクセサリー作家とコラボした指輪など、試行錯誤しながら新たな活動にも取り組む。一方、2008年から京都市の若手職人の集まりである「京の伝統産業わかば会」に入会。2015年からは2年間会長を務め、異業種の若手職人の交流を深めるとともに、京都市の伝統産業のPR事業に参画する。

<京町家との出会い>

結婚とブランドの立ち上げを機に新居を検討。職住一体が可能な建物として、現在の工房である西陣の「織屋建(おりやだて)」の京町家を選択する。機織り機を置くための広い土間、通り庭、オクドさんなど、織屋建の特徴が良く残っていたことが、その家を選んだ決め手となる。「京町家まちづくりファンド」などの助成金を活用し、自分達で出来るところは自分で直しながら4年かけて改修工事を行う。2015年に京都市の歴史的風致形成建造物に指定される。制作の場としてだけでなく、工房見学や体験イベントを開催する他、若手職人の交流の場として活用している。

<伝統産業と京町家のこれから>

伝統産業と京町家が連携して残る方法を探し、京都の魅力を発信したい。若手職人が京町家を利用する機会が増えれば、人が住む京町家の町並みが残りやすくなる。そうすれば古都でありながら生きている町「京都」を実感できるようになる。職人が町家を作る。町家が景観を作る。その町家に職人も住む。そして、それを見に来る人がいる。このような相互作用が生まれ、若手職人がまちづくりにも参加すれば、地域の活性にもつながるだろう。

店名

つづれ織工房 おりこと

名前

織り子 森 紗恵子

住所

京都市上京区東西町

電話番号

営業時間

定休日

webサイト

https://www.oricoto.com

その他